CS:GOマッチへのベッティングには、主なオプション以外にも、ベットの対象となる代替マーケットが多数あります。最も理解しやすい代替マーケットは、マッチトータルマーケットとマップトータルマーケットです。それでは、トータルベッティングとはどのような仕組みで、ベッターが利用するためには何を理解することが重要でしょうか? 詳しくは続きをお読みください。
CS:GOのトータルベッティングの仕組みとは?
CS:GOのトータルベッティングの仕組みは、サッカーにおけるゴール数のオーバー/アンダーマーケットと同様のコンセプトに基づいています。CS:GOの場合、1回のマッチでプレーされたマップ数、または1つのマップでプレーされたラウンド数のいずれかにベットできます。
重要なのは、多くの場合勝利するチームにベットするのではないということです。1回のマッチがどれだけ続くかだけを重視してベットします。CS:GOの場合、マッチでのトータルベットと、プレーされる各マップでのトータルベットがあります。
- 参考記事:CS:GOのベッティングガイド
マーケットは、トレーダーの予想がわかるように設定されます(後述します)。異なる予想をしていて、トレーダーに勝つことができると思うのであれば、そのようにベットしましょう!
CS:GOのマッチトータルベッティング
2勝先取のベストオブスリー形式または3勝先取のベストオブファイブ形式のマッチアップで利用できるトータルベットの1つが、1回のシリーズで続くマップ数へのベットです。
ベストオブスリー形式のマッチでのオッズは簡単に求めることができます。シリーズで続くマップ数が2.5を下回る(アンダー)か上回る(オーバー)か予想してベットできます。単に、マッチが最初の2つのマップで決定する(アンダー)か、そのシリーズが決定戦に進む(オーバー)か予想してベットするだけです。ブックメーカーが「.5」という小数を使うのは、マーケットが確定する(必ずオーバー2.5かアンダー2.5のいずれかとなり、ちょうど2.5にはならない)ことを保証するためです。
さらにわかりやすくするため、架空の例を見てみましょう。Dignitas対Cloud9のマッチに対するオッズを見てみます。ベストオブスリー形式のシリーズであるため、マップ数の選択肢はオーバー2.5かアンダー2.5です。
ご覧のとおり(アンダー2.5が本命であるため)、トレーダーはゲームが最初の2つのマップで決着すると予想しています。さらに踏み込んで考えるために、これらのオッズとマッチの勝者のオッズ(Dignitasが1.781で本命、Cloud9が2.050でアンダードッグ)を組み合わせます。両チームはオッズによって比較的互角の組み合わせとなっていますが、2つのマーケットを組み合わせると、Dignitasが2つのマップだけでCloud9に勝利するとトレーダーが考えていることがわかります。
CS:GOのマップトータルベッティング
CS:GOのすべてのマッチには、16勝先取のベストオブサーティー形式のラウンドをプレーするマップが1つ以上あります。すべてのマップで少なくとも16ラウンドプレーする必要がありますが、トータルマーケットでのオプションの範囲は通常22.5~30.5ラウンドです。
CS:GOを観戦する人であれば、16-0で全勝する可能性はあるものの必ずしも一般的ではないことがわかるでしょう。そのため、マップのトータルの最小値は約22.5となります(これは、敗者となるチームが少なくとも6ラウンド勝利することを示しています)。
Dignitas対Cloud9のマッチの例に戻って考えると、最初のマップでは、マップトータルオッズは以下のようになります。
CS:GOのマップトータルベッティングの例
上の表でマップトータルオッズが一致している所を見てみると、トレーダーは、ゲームが26ラウンドあたりで決着すると予想しているようです(オーバーとアンダーのオッズが最も拮抗しているため)。統計的に考えると、理にかなっています。今年はこれまでのところ、Dignitasは勝利したマップでマップ1つにつき平均27.36ラウンドプレーし、Cloud9は敗れたマップで平均25ラウンドプレーしています。
CS:GOベッティングでのチームトータルの仕組みとは?
CS:GOベッターが利用できるマップトータルオッズには、チームトータルもあります。利用の仕組みはマネーラインオッズによく似ていますが、ゲームが延長戦に入った場合もリターンを得ることができます。前と同じチームを使用して別の架空の例を見てみますが、今回は2回目のマップです。マネーラインでは、Dignitasが2回目のマップで勝利するオッズは1.833で、Cloud9は1.990です。
このマッチでチームトータルオッズがどのようになるか見てみましょう。
CS:GOのチームトータルベッティングの例
オーバー15.5のラウンドに進むと、DignitasとCloud9に対するオッズはどちらも、アウトライトで勝利するオッズよりも低くなります。これは、延長戦に入った場合にブックメーカーが自分を守る必要があるためです(オッズが同じであるなら、ただマッチに勝利するチームではなくオーバー15.5で勝利するチームに誰もがベットするでしょう)。
ほぼ互角の組み合わせだと思う場合に、両方のチームが15.5を上回るラウンドで勝利するとベットできるなら、延長戦に入ると両方のベットで勝つことになってしまいます。
CS:GOのオーバー/アンダーベッティングの予想
CS:GOにおけるトータルベッティングで予想を向上させるには、データを見る必要があります。CS:GOの最適な情報はHLTV.orgで見ることができ、ここではCS:GO時代が始まった2012年以降のすべての統計データに容易にアクセスできます。
分析を価値あるものにできる十分なサンプルがあることも確かですが、有用でなくなったデータ(登録選手の変更やパフォーマンスの大幅な低下があるデータ、またはゲームの更新やマッププールの大きな変更前からあるデータ)は慎重に使用する必要があります。
- 参考記事:eスポーツの予想
各チームのスタッツは有益で最も利用しやすいですが、対象となっている2つのチームの過去のマッチも有益であることは明らかです(対戦したことがあっても出場選手が異なる場合があり、直接比較するのが少し難しくなります)。
上記で使用した統計でどのようにマップの長さを比較したかを、Dignitasの例で見てみましょう。ここでは2020年の初めからのマッチの統計を調べました。そこから、その年の初めから時間内にプレーしたすべてのラウンドを合計し(425)、プレーしたマップ数の16で割ると、平均26.56となりました。勝利したマップでプレーしたラウンドについては、同様に計算しましたが勝利したマップのみ計算したため、301を11で割って合計27.36となりました。
予想をさらに向上させるには、ベットする前にチームがどのマップを選択するか予想することも重要であり、各チームがマップの各サイドでどのようにプレーするか確認することも重要です。これは、すべてのマップが各チームに公平にできているわけではないためです。NukeよりもMirageを得意とするチームもあるかもしれないため、チームトータルではそのチームがより多くのラウンドで勝利すると予想します。
- 参考記事:CS:GOマッププール入門
マップについて調べるとさらに波及効果があり、あるチームが優勢でベストオブスリー形式のマッチトータルでアンダー2.5となる可能性が高いと予想する(つまりマッチ全体で優勢で、2-0で勝利する)と、1つのマップのトータルラウンド数が少なくなる可能性があります。
簡単なリサーチでも、CS:GOにおけるすべてのトータルベッティングマーケットでより多くの情報に基づいて判断できることは明らかです。さまざまな種類のトータルマーケットが多くの場合相互に関連するとの認識を持つことも重要です。ある特定のマーケットにバリューベットがあると考える場合、その知識を他のトータルマーケット全体に適用できるかもしれません。