Adam Bootheが専門家の知見でPinnacle Cupを考察。番狂わせを起こしそうな挑戦者はどのチームか、優勝候補のチームはどこか、市場ではバリューがどこにありそうかを分析します。詳しくは、この記事をお読みください。
Pinnacle Cup IIのグループステージが終了し、ご存知のように4チームが勝ち残っています。先日は、第1回のPinnacle Cupに続き2回目の参戦となった4チームを紹介しました。Lyngby Vikings、GamerLegion、Nordavind、KOVAです。この4チームの成績がどうだったか見てみましょう!
Lyngby Vikingsは、前回招待チームとしてスイスステージから参戦しました。そしてPinnacle Cup IIではマップを1つも落とすことなくスイスステージへの進出を決めました。Natus VincereのアカデミーチームであるNAVI Juniorに対して圧倒的なパフォーマンスを見せた後、同程度の力量のブラジルのチームSharksとは大接戦でした。ベストオブスリーで2-0の勝利だったかもしれませんが、4回のハーフのうち3回の最終スコアは8-7でした。
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Nordavindは惜しくも敗退しました。グループステージ前は、ラインアップとしてのここ数か月の戦いぶりからこのチームが次のラウンドに進むと大いに期待したのですが、メンバーは結局、才能あるライフラーJesper “tenzki” Plougmann Mikalskiではなく、Viktor “vhw” Wadmanとプレイせざるを得ませんでした。Sharksとのベストオブワン形式の試合では、最初は調子が良くてInfernoのT側で5-0になったにもかかわらず、第2ハーフではフルバイしたSharksに対してフルバイで勝利できたのは1回のみでした。この唯一の勝利は、Anton “supra” Tsernobaiが実に積極的で、Sharksの一部のプレイヤーの視界を遮断して交換できないようにして、バナナエリアの先端を取り返したことによるものです。CT側の維持の問題点について、および防御面で劣っていたことを示す重要な指標について、少し詳しく見てみましょう。
- ラウンド24 (13-10):Daniel “mertz” Mertzは、AWPでミッドレーンの様子をうかがい、アンダーパスにいるテロリストにキルされます。Kevin “HS” Tarnは、“mertz”のスナイパーライフルを手に入れた後にスモークを投げて、自分の位置を知らせます。Sharksのプレイヤーたちは、このすべてを見て、パティオ(porch)側には多くても1人いるだけだと知ります。ミッドのスモークにフラッシュで対応し、アーチ側にいる“HS”をキルして、戦わずにサイトを手に入れます。
- ラウンド25 (13-11):2つ前のラウンドと同様に、Sabit “mirbit” Coktasarがバナナエリアの先端にいる“supra”のためにフラッシュを投げます。このラウンドでは、Sharksのプレイヤーたちは高さ半分の壁を回りきっておらず、視界が遮断されなかったため、簡単にBボムサイトを手に入れます。
- ラウンド26 (13-12):Nordavindはエコラウンドで戦います。アパートで30秒間スタックした後に、しびれを切らしてセカンドミッド(alt mid)を突き進みますが、攻撃に遭います。
- ラウンド27 (13-13):またDaniel “mertz” Mertzが、AWPでミッドレーンの様子をうかがいますが、今回はブーストします。ショットを失敗し、ブーストを目撃された(つまり、A側にいる2人のプレイヤーの位置を知られた)ため、Sharksはすぐにアパートからフラッシュを投げて、グレイブヤードの同じ位置に移ろうとしている2人のA側のライフラーに命中させます。
- ラウンド28 (13-14):Nordavindはお金をすべて使って無理買いすると決めます。パティオではスモークを使い、1つしかないM4で積極的に攻撃しますが、1対1の対戦しかできません。“mertz”はうまくサイトにスモークを落として攻撃を遅らせ、“supra”がUMPを持ってMotoスモークの中を進めるようにし、2人をキルして4対2の状況にします。しかし、射撃能力で劣っていることがこのヨーロッパ人混成チームの痛手となり、人数的に有利でありながら勝利につなげることができません。
- ラウンド29 (13-15):前のラウンドでの無理買いにより、マッチポイントでNordavindには3個のライフルしかなく、役に立つものが不足したままです。“supra”がまたバナナエリアでフラッシュを受けますが、残りの射撃能力とローテーション時間を考慮するとマップのB側にライフラーが1人しかないことはどう考えても力不足であり、1対1の対戦しかできません。
このように分析してみるのは何のためでしょうか? InfernoはNordavindにとって非常に得意なマップであり、このマップではCT側のラウンドの多くで勝利し、最初のキルの成功率は70%です。ラインアップに“vhw”がいると、彼に才能と経験があるとしても、チームの快適さとコミュニケーションに決定的な影響が及ぶことがあります。InfernoでのCT側のNordavindをすべて分析してみた場合、Nordavindが今回目の当たりにしたSharks戦のようにプレイするなら、マップの60%で勝利することはないでしょう。今回はどちらのサイトでも、我慢できずにまとまりのないプレイとなりました。こうした観察から、特定のイベントや期間について、同じ交代要員がラインアップに加わったりスタープレイヤーが外れたりする場合のこのチームおよび対戦チームのバリューを検討することができます。
3つ目のチーム、GamerLegionは、まったく新しいチームに敗れました。ベストオブワンの対戦相手となったmouz NXTはmousesportsのアカデミーの登録メンバーです。もっともmouz NXTの何人かのプレイヤー(Izako Boarsの元メンバーの2人やBudapest Fiveから移籍したAdam “torzsi” Torzsas)はおなじみのプレイヤーなのですが、今回の敗戦は誰に聞いてもGLにとって大きな失望です。ただ負けたというだけでなく、その負け方が問題です。MirageでのCT側で、2-13で負けた(実は試合開始後に13-0になった)のです。
新たに結成されて最初の13ラウンドを連勝したチームがどれほどあったでしょう? Pinnacle Cupに参戦していたときのGamerLegionの調子であれば、対戦相手はすぐに負けていたでしょう。それとは反対の結果となりましたが、新しい登録メンバー(今回の場合はmouz NXT)ではよくあるように、その能力はまったくわかりません。ほとんどのアカデミーチームは、サポートの登録メンバーとして、最終的にトップチームに昇格する将来有望なプレイヤーを訓練するために利用されます。しかし例外もあり、現在世界一のGambitのように、非常に才能がありプロに向けて全力を傾けたことでシニアチームの座を奪うチームもあるのです。これがmouz NXTに起こっているなら、今回の負けについてのGamerLegionへの批判を喜んで撤回しましょう!
紹介した4つ目のチームはフィンランドのチーム、KOVAです。今週のCIS RMR 2021イベントで100PGが素晴らしいプレイを見せてくれたので、今回KOVAが16-11で負けたことについて批判はほとんどありません。残念ながら、このチームは最近公式戦が少ないため、この夏までの全体的なパフォーマンスレベルや、今後どれだけの成績が残せるかについて、はっきりとはわかりません。
本イベントの次のラウンドはスイスステージです。このイベントの形式については、この記事をご覧ください。オープニングラウンドでは、オッズが最も近い試合となるEndpoint対Copenhagen Flames、最も差が大きい試合となるYoung Ninjas対Fiend、そしてENCE対TeamOneの試合が行われます。
シニアチームであるNinjas in Pyjamasが、ジュニアチームと出場権を争ったことに注目すべきです。一部の登録メンバーは今年200を超えるマップで一緒にプレイし、50%という素晴らしい勝率を残していますが、Pinnacle Cup IIのオープニングマッチで予想されるメンバーが一緒にプレイしたマップは30未満です。驚くことではありませんが、対戦する2チームに設定された大多数のラインが60-40に分かれています。オッズが低い方のチームが本来は「本命」となりますが、出場するチームの能力に関してはかなり拮抗しています。このようなアンダードッグのチームがスイスステージに登場する場合、1つか2つのマップで相手チームより少し多く準備すればプレイオフステージに進出できるかもしれません。この素晴らしいイベントの次のラウンドを楽しみましょう!