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4 24, 2021
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大注目のVALORANT - 今後の一大eスポーツ事業

VALORANTのリリースから1年

CS:GOとVALORANTのライバル関係

VALORANT eスポーツの現状

VALORANTの重要なマイルストーン

大注目のVALORANT - 今後の一大eスポーツ事業

VALORANTのリリースから1周年の今、この12か月間の成長をふり返り、創成期のeスポーツシーンに影響を与えた重要な要因を突き止めます。詳しくは、この記事をお読みください。

VALORANTは、2020年4月7日に初めてクローズドベータとして、そして2020年6月2日に正式にリリースされました。Riot Games社が開発した、無料でプレイできるタクティカル系一人称視点シューティング(FPS)ゲームです。2019年10月に10周年を記念してRiot Games社が発表したいくつかの新プロジェクトの1つで、開発中は「プロジェクトA」と呼ばれていました。

当初の反応

クローズドベータのリリースが盛大な歓迎を受けたことは、ここで述べておく価値があるでしょう。Riot Games社は、TwitchおよびAfreecaTVというライブストリーミング配信プラットフォームと手を組み、ベータ期間中に特定の配信者の動画を見たユーザーにクローズドベータキー獲得のチャンスを提供したのです。この施策によって、2つのライブストリーミング配信サービスを合わせた視聴時間は、4億7,000万時間に上りました。そしてリリースから7日後には、Twitchの数多くの視聴時間記録を更新しています。

初回の正式リリース以降、同様の記録的な視聴者数は獲得していないものの、VALORANTのTwitchでの月間視聴時間は穏やかな成長を見せ、2021年2月には約7,000万時間となっています(Sully Gnome, 2021)。これはTwitchのゲーム部門ランキングでは7位にあたり、同カテゴリのライバルであるCounter-Strike: Global Offensiveの1つ上位です。

2か月のベータ期間には、Riot Games社から、VALORANTのデイリーアクティブユーザー数はピーク時で約300万人との報告がありましたが、それ以降、最新の数字は公表されていません。

ライバル関係

Counter-Strike: Global Offensiveとこれに先行する1.6およびSourceは、長年にわたりタクティカル系一人称視点シューティング(FPS)ゲームの最高峰でしたが、VALORANTの到来によって、技術、開発、マーケティングの面でこのNo.1の地位を脅かす初めての強力なライバルが出現することとなりました。

技術面では、成功するeスポーツはどれも、競技のマッチメイキングシステムの完全性を基盤としています。CS:GOでは、いつも共通する2つの不満が挙がるようです。Valveアンチチート(VAC)が精彩に欠けることと、公式の128tickサーバーがないことです。CS:GOコミュニティが抱えるこうした問題を改善するサービスを提供するため、FACEITやESEAなどのサードパーティが参入していますが、これらは有料サービスです。VALORANTでは、Riot Games社は最も堅牢なチート対策システムの1つ(「Riot Vanguard」)と、標準サーバーとして128tickサーバーを提供し、こうした悩みの種に真っ向から対処しました。この2つの要素の詳しい説明については、ブログでご覧いただけます。

VALORANTに直接この2つの要素を統合するメリットは、競技でランキングトップを目指す人にとって参加のハードルが下がることにあります。FACEITやFACEITが提供するFACEIT Pro League (FPL)などの有料サードパーティを経由する必要がなくなるためです。また、あらゆるレベルのプレイヤーに平等なプレイ環境がもたらされるため、プレイヤーのスキルと実績によってランキングが決まります。

開発面では、Riot Games社は、常に新鮮で魅力的な体験ができるよう新しいマップやエージェントを追加して、VALORANTをサポートしていくことへのコミットメントを明言しています。これには、同社の主力eスポーツゲームであるLeague of Legendsへのアプローチが反映されています。これはCS:GOでは大いに欠落している要素です。Valve社は、武器のスキンなどの装飾アイテムの追加を除き、長い間新しいコンテンツが追加されないことで知られています。

長年続いているゲームであることを考えると、Valve社はその開発サイクルの大部分を完了しており、ゲームプレイはすでに細部まで調整済みであるとも言えます。しかし、CS:GOの今後はどうなるのでしょうか。また、ゲーム開発にはるかに積極的なライバルゲームにどう挑むのでしょうか。

Riot Games社とValve社では、それぞれのFPSゲームのマーケティングに用いる手法が大きく異なります。VALORANTの主な宣伝方法は、自社で直接資金を投じ、管理するeスポーツのエコシステムを通じて行うものです。一方、Valve社は、イベントの主催をESL、DreamHack、BLASTなどのサードパーティ大会運営団体に委ねており、運営資金を調達するためのスポンサーの獲得はこうした団体がそれぞれ独自に行います。

どちらのモデルもそれぞれに大きな成果を上げてきましたが、最近では後者のモデルで問題が発生しています。これは特に、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行の影響で、昨年1年で大幅に縮小した北米のCS:GO eスポーツシーンに当てはまります。

VALORANT eスポーツの現状

VALORANT eスポーツは、昨年1年で進化しました。最初はサードパーティ運営団体がトーナメントを主催する「IGNITIONシリーズ」のイベントから始まり、Riot Games社主催の最初の公式大会「FIRST STRIKE」で2020年を締めくくりました。2020年のこの期間に、世界最大級のeスポーツ団体の多くがVALORANTチームを設立し、かなりの人数のプロ選手がOverwatch、Fortnite、CS:GOなどの他のFPSタイトルから移行して参戦しました。VALORANTのトップクラスのプロ選手たちは推定$25,000の月収を手にし、契約がバイアウトされた場合には数百万ドル規模の金額が支払われるとうわさされています。

2020年12月24日、Riot Games社は、2021年の公式大会サーキットであるVALORANT CHAMPIONS TOUR (VCT)の開催を正式に発表しました。VCTは4つのステージに分けられます。このうち3つのステージでは、「Challengers」と「Masters」のトーナメントが行われます。最後のステージは「Champions」イベントで、これは世界王者決定戦にあたります。参加チームは、Mastersレベルのトーナメントへの出場権を獲得して勝ち進むことで、賞金とChampionsトーナメントへの出場資格ポイントを獲得します。こうしたイベントの視聴者数は好調で、直近のVCT 2021 North America Stage 1 Mastersでは、配信期間中の平均視聴者数は147,000人、最高視聴者数を獲得したのはSentinelsとLGの決勝で363,000人に上りました。

一方、年間に行われるCS:GOの大会としては最大イベントの1つであるとされるIEM Katowice 2021の場合、平均視聴者数は224,000人、視聴者数が最高となったのはグループステージでのNatus VincereとTeam Liquidの対戦で600,000人でした。

2021年もまだ半ば。今後もVALORANT eスポーツは右肩上がりで成長していくと予想されています。LANを使用した初めての国際大会(VCT 2021 Stage 2 Masters)をアイスランドのレイキャビクで開催する予定です。レイキャビクでは、北米、ヨーロッパ、中東、アフリカ(EMEA)、ラテンアメリカ、ブラジル、東南アジア(SEA)、韓国、日本を代表する10チームが対戦します。Stage 2 MastersはVALORANTにとっての重要なマイルストーンであり、ここ1年間でゲームがどれほど成長したかを評価するための確かな基準となります。

今後の方向性

VALORANTの今後については多くの憶測がなされていますが、League of LegendsでのRiot Games社のこれまでの実績と取り組みは、VALORANTが今後一大eスポーツ事業となる可能性を示唆しています。はたしてVALORANTは、これまで数十年にわたりCounter-Strikeの独壇場であった、No.1タクティカル系FPSの座を奪うことができるでしょうか。もしかするとできるかもしれません。しかし、このゲームがタクティカル系FPSというジャンルを揺るがすことは間違いありません。

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筆者について

Kristian Medina
デモントフォート大学で英語とメディアを学んだ、Pinnacle eスポーツのライター兼ビデオグラファー。League of Legendsに関して頼りになる人物です。
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