Adam BootheがDreamHack Masters Spring 2021のベッティングを専門的な知見から考察し、トーナメントの対戦のどこにバリューを見出すことができるのかを特定します。この記事を読んでお確かめください。
CS:GOの世界において、特に12月の中断期間後には、まる1週間トップレベルのアクションがないということはほとんどありません。しかし、直近のBLAST終了後はそのような状態でした。この時期にはいくつかのトップチームがFunsparkのイベントに参加しましたが、近年順位を下げているチームや2021年初めに平凡な成績しか残せなかったチームが大部分を占めていたことは明らかです。
かつては、メジャー大会を除くとDreamHack Mastersが最高のイベントでした。もう以前のような注目を浴びることはないかもしれませんが、現在のCS:GOでも注目に値します。このイベントには16チームが出場し、賞金総額は$250,000です。その威信は、現在世界の上位5チーム、上位10チーム中の9チーム、上位16チーム中の13チームという参加チームの質によって示されています。つまり、才能がひしめいているのです!
DreamHack Masters Springの形式は、他のイベントと比べてやや複雑です。8チームずつの2グループに分かれ、ダブルエリミネーションブラケットでの戦いが行われます。各グループの上位ブラケットから1チームが勝ち抜き、自動的にプレーオフの準決勝に進みます。
このイベントに参加する各チームの状況については、CS:GOの世界に衝撃を与える移籍が金曜日に発表されました。Nicolai “dev1ce” ReedtzがAstralisを離れ、移籍金$100万でNiPに移籍したのです。これにより、Astralisの歴史は2つの期間に切り離されることとなりました。“dev1ce”の時代と“dev1ce”後の時代です。残った4人のプレイヤーと“dev1ce”の代わりに加わったLucas “Bubzkji” Andersenでは先行きが不安だと言う人もいますが、AstralisはスターのAWPerがいたから好成績を収めていたわけではありません。“dev1ce”はキャリアを通じて高い一貫性を示し、それによってベストプレイヤーの一人となりましたが、かつての所属チーム全体のように「史上最高」と呼ばれることはありませんでした。
“dev1ce”は2014年に初めてHLTVのトップ20に入り、順位は20位でした。そこから翌年には3位まで急上昇し、その後は毎年トップ5にランクインしてきました。しかし、1位の座に輝いたことは一度もありません。彼はこれまで、Peter “dupreeh” RasmussenとAndrea “Xyp9x” Hojslethを含む3人の中心的チームメンバーと常に一緒にプレーしており、2014年のランキングで“Dupreeh”に次ぐ2位となったのが最高成績です。
彼がトップ5に入った最初の3年間、“dev1ce”とデンマークのCS:GOシーンは総じて、スウェーデン(Ninjas in Pyjamas)の時代とそれに続くブラジル(Luminosity/SK Gaming)の時代(Astralis以前に成功を収めたのはこの2つのみ)が到来した陰に隠れていました。その状況が変わったのは、Lukas “gla1ve” Rossanderがチームに加わり、Finn “karrigan” Andersenが去ってからでした。その時点まで、チームはさまざまな対戦相手が入り混じる中で一貫した成績を収めていましたが、“gla1ve”はすぐにチームをトップに押し上げました。ELEAGUE Season 2で2位となり、ECS Season 2で優勝したのに続き、Atlanta 2017で4つのメジャー大会を初めて制したのです。
BLAST 2021に向かう中で、Astralisは“gla1ve”が加入して以降、連続した2試合を0-2で落としてイベントを去ったことが一度もないと言われていました。しかし、とうとうESL Pro League Season 13でそれが起こったのです。そしてわずか数日後、OGとの対戦で3試合連続0-2の負けを喫しました。これもチームにとって初めてのことでした。Astralisのチーム状況は完璧からほど遠いと推測しておく方が安全です。
私が思うに、チームがトップの位置を取り戻したいのであれば、“Bubzkji”は“dev1ce”の長期的な代役として不十分です。ただし、これはチームで替えのきかない才能とみなされていたOleksandr “s1mple” KostylievやMathieu “ZywOo” Herbautと同じような状況ではないことに注意すべきです。Astralisは、長年にわたる大会でチーム全体のパフォーマンスが優れていたため、最高のチームとなったのです。
ここでもう一点指摘しておきたいのは、“dev1ce”との契約がNiPにとって大きな強化にはならないということです。たしかに、“dev1ce”のレーティングはおそらくTim “nawwk” Jonassonに勝るでしょう。しかし、このデンマークのAWPerを獲得したスウェーデンのチームが優勝を期待していることは明らかですが、実際にトーナメントで優勝できるかに関しては疑問が残ります。
DreamHack Masters SpringのイベントでNiPは見られませんが、“Bubzkji”がAstralisでどのようなプレーを見せ、彼が前回の公式戦以降にどのような改善を見せるのかが注目されます。Astralisは、北米のExtra Saltとの対戦でトーナメントの開幕を迎えます。プライスの観点から見ると、両チームが2020年のLANで前回対戦した時に比べてスプレッドが非常に狭くなっています。しかし、選手の顔ぶれは同じではありません。上述のとおり、Astralisからは“dev1ce”が抜けましたが、Extra SaltでもIan “motm” Hardyが他のチームに移籍し、Ricky “floppy” KemeryはVALORANTに移りました。
1年前のKatowice 2020において、Extra Salt (ex-Cloud9) がマップでAstralisを制した確率は約30%でしたが、DreamHackで木曜日のベストオブ3全体を見ると、その確率は現在35%です。6人目のプレイヤーとしての“Bubzkji”の役割は、“dev1ce”の代わりではありません。彼はAstralisで17マップをプレーしており、Extra Saltよりも質の高いチームとも対戦しています。もっとも、Extra Saltは素晴らしい状態でヨーロッパに到着し、優勢とみなされなかったにもかかわらず、Dignitas、BIG、forZeのようなチームにも勝利しています。金曜日のニュースの後には、かつての世界ナンバーワンチームを倒す最高のチャンスがあるとしてプライスが設定されても納得できるでしょう。
イベントに関するその他のニュースでは、HeroicとGambitのライバル関係が、かつてのAstralisとNatus Vincereのようであり、どちらのチームも年末までにタイトルに十分挑戦できると考えられます。ただし、AstralisとNatus Vincereも世界ランクのトップ5を維持しているため、これらのチームを除外してはいけません。
このプレビューの締めくくりとして、北米のいずれかのチームが急激に調子を上げ、Astralisが手放した王座に就くことができれば出来過ぎではないかと思います。私は個人的に、Team Liquidに期待しています!