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11 3, 2020
11 3, 2020

eスポーツとしてのリーグ・オブ・レジェンドの歴史

リーグ・オブ・レジェンド誕生の日

eスポーツとしてのリーグ・オブ・レジェンドの幕開け

eスポーツとしてのリーグ・オブ・レジェンドが世界に拡大

eスポーツとしてのLoLは韓国の天下

eスポーツとしてのリーグ・オブ・レジェンドの歴史

リーグ・オブ・レジェンドはeスポーツ界をけん引する世界的タイトルです。Pinnacleでは、eスポーツとしてのリーグ・オブ・レジェンドの歴史と、初めは目立たない存在だったLoLがどのように世界的な現象へと進化したのかを振り返ります。

リーグ・オブ・レジェンド誕生の日

リーグ・オブ・レジェンド(LoL)はRiot Gamesが開発を手掛け、2009年10月27日にリリースされました。

LoLはマルチプレイヤー・オンライン・バトル・アリーナ(MOBA)ゲームで、人気の高いウォークラフト 3: The Frozen ThroneのMODであるDefense of the Ancientsに着想を得て開発されました。

このゲームは「サモナーズリフト」と呼ばれる架空のアイソメトリックなバトルフィールドを中心に展開し、5人1組のチーム2組が「チャンピオン」と呼ばれるユニークなキャラクターを使用して戦います。ゲームの目的は、敵チームの本拠地「ネクサス」を破壊することです。

LoLは利用できるアイテム、レベル、スキルが豊富で、プレイヤーはチャンピオンをカスタマイズしながら、所要時間が通常30~60分の試合に臨みます。チャンピオンはゲーム内での役割ごとに区別されます。リーグ・オブ・レジェンドに登場する役割の詳細は、Pinnacleのガイドをご覧ください。

eスポーツとしてのリーグ・オブ・レジェンドの歴史

2009年のリリース後、eスポーツとしてのLoLはひっそりと幕を開けました。初めて開催された大会はESL、IGN、MLGなどが主催するLANイベントでのオンライン対戦でした。主な参加者は北米とヨーロッパのプレイヤーで、Team SoloMid (TSM)やCounter Logic Gaming (CLG)など、現在eスポーツを象徴するチームが黎明期のLoLでプレイしていました。

LoL初の大きなトーナメントは2011年、リーグ・オブ・レジェンドWorld Championshipのシーズン1が、スウェーデンのヨンショーピングで開催されました。DreamHack Summerで行われたこのトーナメントの賞金総額は$100,000でした。World Championshipのシーズン1に出場したのは計8チーム。上位3チームは北米とヨーロッパからの参加で、その他にシンガポールとフィリピンの代表チームも参加しました。

このシーズン1のユニーク視聴者数は169万人で、当時としては素晴らしい数字となりました。そのうちの21万人は、リーグ・オブ・レジェンド初の世界チャンピオンを決めるタイトル戦で、FnaticがAgainst All Authorityを2-1で破り優勝した試合を観戦するために集まった観客でした。

eスポーツとしてのリーグ・オブ・レジェンドが世界に拡大

シーズン2を迎えるにあたり、Riot Gamesは、北米およびヨーロッパ国内のマーケット以外にプレイヤーを増やすことを大きな目標に掲げました。2011年の終わりには、韓国と中国のゲームサーバーを積極的にローンチし、世界最大規模を誇る2つのゲーム市場でLoLが解禁されました。特に韓国への参入は、LoLの競争力を一変するものとなりました。当時の韓国は世界最先端のeスポーツエコシステムを有しており、その歴史は2000年代後半のBlizzard Entertainmentsによるリアルタイムストラテジーゲーム「スタークラフト」までさかのぼります。

2019年のWorld Championship決勝の平均視聴者数/分は推定で2,180万人と言われていて、2018年の1,960万人から前年比11%の増加となりました。

一方の中国については、数十億ドルの価値があるノンエンデミック・オーナーシップを導入した世界第2位の経済大国として、LoLの大ブレークが確実視されていました。中国でのLoL人気は桁外れで、数百万人のファンを獲得し、あっという間に一番人気のeスポーツタイトルへと昇り詰めました。2019年のサモナーズカップ決勝で中国のチームFunPlux Phoenixが優勝した試合は、中国国内だけで1億人もの視聴者が観戦しました。

競争力のあるエコシステム構築の一環として、シーズン2ではリーグ・オブ・レジェンドChampionship Series (LCS)を設立。北米とヨーロッパに1つずつ、それぞれ8チームが所属することになりました。LCSでは2018年半ばまで昇格・降格システムが採用されていましたが、Riot Gamesは北米リーグにフランチャイズ制を導入し、リーグシステムの変更を計りました。ヨーロッパのLCSも2019年の初めに同様の変更が加えられ、リーグ・オブ・レジェンドEuropean Championship (LEC)に生まれ変わりました

現在は、世界各地に12のプロリーグが存在します。

リーグ名

地域

リーグ・オブ・レジェンドChampionship Series (LCS)

北米

リーグ・オブ・レジェンドEuropean Championship (LEC)

ヨーロッパ

リーグ・オブ・レジェンドChampions Korea (LCK)

韓国

リーグ・オブ・レジェンドPro League (LPL)

中国

Pacific Championship Series (PCS)

台湾、香港、マカオ、および東南アジア

Vietnam Championship Series (VCS)

ベトナム

リーグ・オブ・レジェンドContinental League (LCL)

ロシア

Turkish Championship League (TCL)

トルコ

Campeonato Brasileiro de League of Legends (CBLOL)

ブラジル

Liga LatinoAmerica (LLA)

中南米およびメキシコ

リーグ・オブ・レジェンドJapan League (LJL)

日本

Oceanic Pro League (OPL)

オセアニア

eスポーツとしてのLoLにおける韓国の黄金時代

地域ごとにプロリーグが設立されてから、韓国のリーグ・オブ・レジェンドChampions Korea (LCK)は他の地域と比べてスキルの差が顕著で、世界一競争の激しいリーグとして注目されるようになりました。LCK設立後初のシーズンで、リーグ・オブ・レジェンドWorld Championshipのシーズン2にAzubu FrostとNaJin Swordが出場し、Azubu Frostが決勝まで進みましたが、Taipei Assassinsに破れ優勝には手が届きませんでした。残念な結果となったものの、Azubu FrostとNaJin Swordの活躍で、今後のチャンピオンシップ優勝候補を輩出する地域として、韓国のポテンシャルを見せつけることとなりました。

時は進んで2013年、Worlds史上最も成功を収めることになるSK Telecom T1 (SKT)とSamsung Galaxy Pro-Game Team (SG)の2チームが設立され、韓国LoLの黄金時代が幕を開けます。このときデビューした若きルーキーLee “Faker” Sang-Hyeokは、ソロキュー(リーグ・オブ・レジェンドの対戦モードに参加するソロプレイヤーが集まる場)から直接スカウトされた、才能あふれるミッドレーナ―です。Fakerはレギュラーシーズンの間、ミッドレーナ―として圧倒的な強さを見せ、eスポーツを最も象徴する場面で絶頂期を迎えます。それがHot6ix Lol Champions Summer 2013の決勝で、FakerがRyu Zedと対戦し勝利を収めた瞬間です。 

SKTとFakerの勢いはWorld Championshipのシーズン3でも止まらず、グループステージを7勝1敗で勝ち抜き、準々決勝ではGamania Bearsを2-0で、準決勝ではNaJin Swordを3-2で下します。さらに決勝ではRoyal Clubに3-0で勝利して、見事シーズン3の王座を獲得しました。その後も2015年と2016年のWorldsで2年連続優勝を果たしたSKTですが、SKTが優勝にあと一歩及ばなかった2014年と2017年にはSamsung Galaxyが優勝しています。

LCSでは2019年初頭の時点で、リーグに所属するプロプレイヤーの21%を韓国人が占めていました。これはヨーロッパ(18%)やその他の地域(9%)を上回る数字でした。

この時期、北米、ヨーロッパ、中国で活動する多くのチームが、LCKのチームが収めた世界的な成功を再現すべく、チーム強化のためにこぞって韓国人プレイヤーを加入させる動きが強まりました。中でも韓国人プレイヤーの「大移動」で成功したのが、中国のeスポーツチームInvictus Gaming (IG)です。IGはミッドレーナ―のSong “Rookie” Eui-jin(元KT Rolster Arrows)とトップレーナ―のKang “TheShy” Seung-Iok (元Rebels Anarchy)を韓国リーグから迎え、2018年のWorld Championshipで優勝するチームとしての基盤を固めました。

IGのサモナーズカップ優勝を機に、World Championshipにおける韓国チームの黄金時代は正式に終焉を迎え、ここで初めて、各地域の実力差が狭まっていることが明らかとなったのです。

数字で見るリーグ・オブ・レジェンド

Riot Gamesが公式に発表した情報によると、LoLのマンスリープレイヤーは2011年に500万人、2012年に3,200万人、2014年には6,700万人を数えました。2014年を最後に、プレイヤーベースの統計は公式に発表されなくなったものの、2019年のマンスリープレイヤー数は8,000万人~1億1,500万人と推定されています。

この記事でも触れましたが、2011年のWorld Championshipは推定で169万人のユニーク視聴者を集め、ピーク時の同時視聴者数は21万人、賞金総額は$100,000でした。それから約10年後の2019年に開催されたWorld Championshipのユニーク視聴者数は推定で1億人、ピーク時の同時視聴者数は4,400万人、賞金総額は$2,250,000となっています。

ゲームの成長に伴い、プロプレイヤーたちはどのような恩恵を受けてきたのでしょうか? Riot Gamesは2013年、LCSに所属するプロプレイヤーに対して$75,000の最低基本給を導入しました。Forbes誌によれば、プロプレイヤーの平均給与は2018年までに$320,000へと増えています。2019年のLCSオフシーズン中、リーグ・オブ・レジェンドのトップレーナーHeo “Huni” Seung-hoonがTeam Dignitasとの2年契約にサインし、年俸として$2,300,000相当が保証されたとESPNが報じました。これにより“Huni”は、リーグトップクラスの年俸額を誇る選手となりました。

複数の指標から見る限り、eスポーツとしてのリーグ・オブ・レジェンドの未来は明るく、次の10年も最も人気の高いeスポーツタイトルであり続けると予想されています。

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筆者について

Kristian Medina
デモントフォート大学で英語とメディアを学んだ、Pinnacle eスポーツのライター兼ビデオグラファー。League of Legendsに関して頼りになる人物です。
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