eSportsでベッティングを行う場合、そのトーナメントがLANイベントであるかオンラインであるかが重要になります。プレイヤーのパフォーマンスの良し悪しには、さまざまな要素が影響しています。そのため、プレイヤーが試合で良いプレイができた理由、そして悪いプレイになった理由を理解することが、今後のイベントでのベッティングに役立ちます。この記事を読んでお確かめください。
LANとオンラインの違いとは
LANとオンラインの違いの重要性を理解するには、まずこの2つの言葉の意味を理解しなければなりません。LANはローカルエリアネットワークの略語です。この場合、プレイヤーは自宅でインターネット経由でプレイするのではなく、同じ部屋で、同じネットワークに接続してプレイします。
ほとんどのLANイベントは観客を入れたアリーナで開催され、それがTwitchなどのプラットフォームでライブストリーム配信されます。環境が違うだけでなく、椅子やテーブル、部屋、場所なども違うため、それがプレイヤーのパフォーマンスに影響することがあります。
オンラインイベントはインターネット上で開催されます。プレイヤーはIP(インターネットプロトコル)を介して別の場所のサーバーに接続して参加します。プレイヤーはそれぞれ別の場所で、自宅のコンピュータとインターネット接続を利用しています。
自国でプレイするほうが、チームの優位性がわずかに高まることが、統計的に証明されています。また他国で開催されたトーナメントよりも高いレベルでプレイできるようです。
オンラインイベントでは、プレイヤーが快適な環境で最大のパフォーマンスを発揮できる状態にあると、ベッターは考えてよいでしょう。これに対してLANイベントでは、プレイヤーの環境があらかじめ設定されており、使用する機器についても、プレイヤーが口を出す余地はないでしょう。
オンラインイベントであれば、プレイヤーは自宅から快適に競技に参加できますが、「ping」(パケットがサーバーに送信されて戻るまでにかかる時間)の問題に対処しなければなりません。チームメンバーの居場所によっては、これが大きな問題になることがあります。
LANイベントでベッティングする場合は、イベントの規模、移動手段の手配、プレッシャーの量、試合中のコミュニケーションのとりやすさ、ホームフィールドアドバンテージなどを考慮する必要があります。
対照的に、オンラインマッチでベッティングする場合には、2つのチームの場所が、特に考慮すべき重要な要素になります。Gambit CS:GOチームは、場所が重要であることを示す好例です。このチームのプレイヤーの多くはカザフスタンに拠点を置くため、他の地域(ロシア、ウクライナ、CIS地域のその他の国以外)を拠点とするチームと対戦する場合、100を超えるping(応答の遅延)に苦労しています。
プレイヤーの好みを理解する
イベントの種類に関するプレイヤーの好みは、個人によって異なります。オンラインの場合、プレイヤーは慣れ親しんだ自宅環境から競技に参加できるため、リラックスできることが多いようです。
それに対してLANの場合は、プレイヤーはイベント環境と機器の両方に適応する必要があります。別のコンピュータを使用する際は、マウスアクセラレータやドライバの問題がよく発生します。特にCS:GOなどのゲームでは、正確な狙いが勝敗を分けるからです。
自宅ではリラックスしてプレイできるかもしれませんが、快適であるためにかえってプレイヤーの集中力が下がり、最高のパフォーマンスを発揮できなくなることも考えられます。熱狂的な観衆が集まり、大歓声が聞こえるアリーナでは、プレイヤーの勝利に向けた意欲やモチベーションが高まる可能性があります。
プレイヤーに合ったイベントのタイプとは
さまざまなイベントのプレイヤーの統計から学べば、どのような環境でより良いパフォーマンスを発揮できるかがわかります。これは、イベントの種類を特定してベッティングする場合に非常に重要です。
AVANGARチームのCS:GOプレイヤー、KrizzeNの例を見てみましょう。彼のオンライン統計とLAN統計には大きな差があります。HLTVによれば、KrizzeNのオンラインレーティングは1.13です。この数字はLANイベントのレーティングの0.84をはるかに上回っています。これは大きな差です。ベッターは対戦相手のレベルをさらに詳細に分析することもできますが、KrizzeNがアリーナでライトを浴びている状況よりも自宅にいるときの方が高いレベルでプレイできることは明白です。
対照的に、Virtus.ProはオンラインよりもLANイベントで優れたパフォーマンスを発揮するチームとして知られています。Virtus.Proは、ELEAGUE Major 2017で2位、DreamHack Masters Las Vegas 2017で1位(LANイベント)を獲得しました。しかしわずか数ヶ月後のESL Pro League(オンライン)では、9勝17敗の成績で13位で終わっています。個性的なメンバーが多いこともあって、彼らは大きなアリーナで最高のパフォーマンスを発揮できるようです。
さまざまなイベントでチームのパフォーマンスを分析する
LANイベントでは、大勢の前でプレイするため、背景雑音によりチームのコミュニケーションに悪影響が出ることがあります。コミュニケーションは非常に重要であるため、本格的なベッターは、LANイベントの前にチームの各メンバーの国籍を調査しています。プレイヤーはチームメイトの画面を見ることができるとは言え、チームの成功にとっては、依然として音声によるコミュニケーションが不可欠です。
さまざまな国籍のメンバーがいるチームでは、母語でやり取りしていないプレイヤーが大半を占めるため、状況がさらに厳しくなることがあります。試合の重要な瞬間に混乱やミスを招く可能性があります。Dota 2はそのようなチームが多いことで知られています。しかし、The Internationalなどのトーナメントでは、すべてのチームがブースを利用できるようになっており、観衆の騒音を低減する効果があります。
- Dota 2ベッティングについて詳しく知る
最近、CS:GOのLANイベントについて、コーチの役割に関するルールが変更されました。ベッターはこれに注意する必要があります。オンラインマッチではプレイヤーは好きなだけチームと会話することができますが、現在、このオプションは多くのLANイベントで廃止されています。代わりに、各チームはマップごとに30秒間のタイムアウトを4回取ることができるようになりました。このルールでは、コーチのアドバイスに頼る部分が大きいチームは、オンラインに比べてLANイベントで苦労する可能性が高くなります。
NaViは、このルール変更の影響を受ける可能性が大きい例です。NaViはルール変更が適用される直前にIGL(ゲーム内リーダー)であるZeusをメンバーから外していましたが、チームにとってZeusがどれほど重要であるかを再認識して、チームに呼び戻しました。LANイベントの前にチームの構成を調べることで、一般的なベッターが気づかない、チームの弱点が見えてくることがあります。
観衆のプレッシャーに対処する
プレッシャーはeスポーツのすべてのプレイヤーが経験するものですが、それぞれの対処方法は大きく異なっています。一部のプレイヤーにとってはプレッシャーが大きな障害となる場合があり、通常は数分で忘れられる失敗が、試合環境によってはさらに増幅することもあります。
プレイヤーが重大な失敗をしたあとの統計を調べることで、同様の状況が再び発生した場合に、そのプレイヤーがどのように反応するかを予想できます。CS: GOの試合でショットや爆弾解除を失敗して、その後プレイヤー個人の統計値が低下する場合は、メンタルが他のプレイヤーよりも弱いということです。ベッターは、LANイベントにベッティングする際、プレッシャーがさらに大きくなる状況に特に注意しましょう。
自宅ではリラックスしてプレイできるかもしれませんが、快適であるためにかえってプレイヤーの集中力が下がり、最高のパフォーマンスを発揮できなくなることも考えられます。
元CLGプレイヤーであるFNSの例を見てみましょう。DreamHack ValenciaでRed Reserveと対戦したときに、FNSは重要な場面で爆弾の解除に失敗した直後、パフォーマンスレベルが低下しました。失敗前は0.87だったキル/ラウンド(KPR)が、0.50に落ちました。失敗でFNSのパフォーマンスが落ち、Red Reserveは15-13から逆転して延長戦で勝利しました。
FNSは何度か同じような状況になっています。SL i-League StarSeriesの決勝戦では、やはり試合の重要な場面で、Molotovによって自爆してからFNSのKPRは0.76から0.63に落ちました。どちらのトーナメントも LANイベントでした。そして、この例では失敗がプレイヤーに精神的な影響を与えるということがわかりました。このような傾向を知ることで、有利にベッティングができるようになります。
プレッシャーに関係なく通常どおりの試合ができるチームは、LANイベントでも状況に上手く対応して、スキルの高いチームにも勝てる場合があります。大きなイベントの観衆の前でプレイするプレッシャーに対処できないプレイヤーがいる一方で、プレッシャーをモチベーションに変えて集中力を高め、さらに高いレベルのパフォーマンスを発揮できる場合もあります。
移動と場所が重要な理由
移動はイベントにおけるチームのパフォーマンスに大きな影響を与える可能性があります。本格的なベッターは、eスポーツのベッティングを行うときにこれを考慮しています。イベントに向けて長距離を移動するとき、チームはたいてい、時差ぼけから回復するのに十分な時間を確保します。時差ぼけはプレイヤーのパフォーマンスに大きく影響し、チームの勝利の可能性に関わるからです。しかし現在、多くのチームは忙しいスケジュールを抱えているため、必ずしもそのような対処ができるとは限りません。
LANイベントの場所を調べ、プレイヤーの拠点と比較することで、すぐに重要な情報が得られる場合があります。たとえば、異なる文化、言語、さらには現地の食べ物に適応する能力などは、ベッティングの前に考慮すべき重要な情報です。
さまざまな国籍のメンバーがいるチームでは、母語でやり取りしていないプレイヤーが大半を占めるため、状況がさらに厳しくなることがあります。試合の重要な瞬間に混乱やミスを招く可能性があります。
自国でプレイするほうが、チームの優位性がわずかに高まることが、統計的に証明されています。また他国で開催されたトーナメントよりも高いレベルでプレイできるようです。ホームフィールドアドバンテージがあるのは、チームが観衆に見守られ、歓声を受け、自信を持ってプレイできるためです。対戦相手は観衆の敵対心や沈黙にも対処しなければならないため、士気が低下し、自信をなくすこともあります。
この記事では、プレイヤーがイベントのタイプによって他のプレイヤーよりも優れたパフォーマンスを発揮する理由を説明し、それを知ることが、情報に基づいたベッティングに有益であると述べてきました。チームがオンラインイベントでもLANでも同じパフォーマンスを発揮できることを前提とするのは、eスポーツのベッターによくある間違いです。ここで説明したことを認識して基本的な調査を行えば、この間違いを避け、ブックメーカーの優位に立つことができるかもしれません。
eスポーツのベッティングについてもっと学びたいですか? ピナクルのeスポーツベッティングハブをご覧ください。